健診でピロリ菌感染が判明した場合
ピロリ菌感染のリスク
ピロリ菌は胃に住み着き、長期間にわたって胃の粘膜に慢性的な炎症を引き起こします。
感染していると、以下のような疾患のリスクが高まることが分かっています。
- 慢性胃炎:ピロリ菌は胃の粘膜を刺激し、慢性的な炎症を引き起こすため、胃炎が慢性化しやすくなります。慢性胃炎は、自覚症状が少ないことも多いですが、放置すると胃の機能が低下し、消化不良や胃もたれなどの症状が現れることがあります。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:ピロリ菌感染により、胃や十二指腸の粘膜が弱くなり、潰瘍(粘膜がえぐれる状態)を引き起こしやすくなります。潰瘍が進行すると、激しい痛みや出血が起こり、日常生活に支障をきたすこともあります。
- 胃がん:ピロリ菌感染が長期化することで、胃がんのリスクが増加します。特に日本では胃がんの原因の多くがピロリ菌感染に関連しているため、感染が確認された場合には、早期に対応することが重要です。
健診でピロリ菌感染を指摘された時にすべきこと
健診でピロリ菌感染を指摘された場合、まず当院に相談し必要な検査や治療方針をご確認ください。
ピロリ菌は一度感染すると自然に消えることは少ないため、治療を行わない限り長期間胃に定着し続ける可能性が高いです。
そのため、感染が確認された時点で適切な対応が必要です。
ピロリ菌感染を指摘されたら胃カメラ検査を受けましょう
健診でピロリ菌感染が確認された場合、次のステップとして胃カメラ検査を受けることが推奨される理由は以下の通りです。
- 炎症や潰瘍の有無を確認できる:ピロリ菌が胃に感染していると、胃の粘膜に炎症が起こり、潰瘍が発生していることもあります。胃カメラ検査を受けることで、粘膜の状態を直接観察し、炎症や潰瘍の有無を確認できます。
- 早期のがん発見が可能:ピロリ菌感染による長期的なリスクとして、胃がんの発症が挙げられます。胃カメラ検査は、胃がんの早期発見に非常に有効です。特に初期段階の胃がんは自覚症状がないことが多いため、検査での発見が治療のチャンスを広げることになります。
- ピロリ菌除菌治療の適切なタイミング:ピロリ菌除菌治療は、胃の粘膜が健康な状態に近い方が効果的です。胃カメラ検査で胃の状態を確認し、除菌治療を行うことで、胃の健康を維持するための最適な治療タイミングを計ることができます。
- 検査結果に基づいた治療の精度向上:胃カメラ検査では、胃の粘膜の状態を詳細に把握できるため、感染の進行度合いやその他の異常があるかどうかを確認できます。この情報は、ピロリ菌除菌の効果を最大限にするための重要な判断材料となります。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌感染が確認された場合、抗生物質と胃酸を抑える薬を組み合わせた除菌治療が行われます。
除菌治療を受けることで、慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんのリスクが大幅に軽減されることが確認されています。
さらに、除菌によって胃の健康が回復しやすくなるため、症状がない場合でも治療を受ける価値は高いといえます。
胃カメラ検査を受ける重要性
健診でピロリ菌感染を指摘された場合、症状がなくても胃カメラ検査を受け、胃の状態を詳しく確認することが重要です。
ピロリ菌は、長期間にわたって胃に炎症を起こし、将来的に胃がんリスクを高める可能性があります。
胃カメラ検査を通じて、早期に胃や十二指腸の健康状態を確認し、必要に応じて除菌治療を行うことで、胃の健康を維持し、将来のリスクを低減することが可能です。
当院に相談の上、胃カメラ検査を受けることで安心して健康管理を行いましょう。